子宮筋腫について 愛知県豊橋市(豊川市)
こんにちは、鍼灸師の林です。今日は病気のお話。子宮筋腫ってご存じですか・・・?
なんとなく聞いたことはあるけれど、どんなものかははっきりと分からない、そんな方が多いのではないでしょうか。
子宮は筋肉でできているのですが、その筋肉が増殖してしまいコブができてしまいます。これを筋肉の良性の腫瘍という意味で、「筋腫」といいます。大きさや数に統一性が無いので、ものすごく小さい米粒くらいのものや、10㎏を超える大きな物もあったり、1つだけ出来ている場合、10個以上できている場合、、、など様々です。年齢的には30代から50代の女性に多く見られる病気で、30歳以上の女性の約20%に子宮筋腫があると言われています。
どうして起こるの・・・?
はっきりとした原因はまだ分かっていません。しかし、初潮を迎えていない女子には起こらない、閉経後には小さくなるということから、エストロゲンという女性ホルモンが原因に関わっているのではないか・・・?と考えられています。ただ、閉経後でも筋腫が縮小しないケースもあり、まだまだ不明な点が多く、ストレスや免疫力低下も影響しているのではないか、という考えもあるそうです。
どんな症状が起きるの・・・?
筋腫が大きくなるにつれて子宮が大きくなってくると症状が現れることがあります。筋腫が出来る位置によっては、大きくなっても無症状のことも多く様々です。子宮がこぶし大異常になると、お腹の上から触っただけで、自分でもしこりがあるのが分かるようになります。ただ、ちょっと太ったかな・・・?と脂肪やお肉がついたと思い込み見過ごしてしまうことも多いようです。
筋腫が大きくなった場合には、月経過多や不正出血、激しい月経痛が起こることがあります。出血量が多い、経血にレバーのような塊が混じる、月経期間が異常に長く続く、不正出血が長く続く場合には貧血になることもあり、慢性化することで階段や坂道を上るのがつらい、すぐに疲れるなど日常生活にも支障をきたすようになってきます。
筋腫が周りと癒着(ぴたりとくっついてしまうこと)してしまうと激しい月経痛下腹部痛を伴うこともあります。筋腫が大きくなるにしたがって膀胱や直腸が圧迫され、頻尿や便秘になったり、残尿感やガスがたまってお腹が張って苦しい思いをする方もいるそうです。また、背中の方にできた筋腫が大きくなると、骨盤内の神経や脊髄が圧迫されて腰が痛くなひともいます。
症状の表れ方は、子宮内のどの場所に筋腫ができるか、その大きさや数によって異なります。子宮筋腫を4つご紹介します。
・粘膜下筋腫
子宮の内側に向かって筋腫ができるタイプです。1㎝ぐらいの大きさでも自覚症状がでることがあります。子宮内膜に筋腫の血管が露出するので、月経の時などに大出血を起こしやすく、貧血が強くでることが多く、受精卵が着床しにくくなります。
・筋層内筋腫
子宮筋腫と診断されるものの約7割がこのタイプだと言われていて、子宮の壁を作っている平滑筋という筋肉にできます。筋肉の中にできるので小さいものなら症状がでることはほとんどありません。しかし、筋腫が大きくなってくると生理の血の量が増えたり不妊の原因になってきます。
・漿膜下筋腫
子宮の壁の一番外側にできるもので、外に向かって大きくなる筋腫です。他の筋腫とは違い、過多月経や貧血などの症状がでないため、気がつかない人も多くいるそうです。筋腫がおおきくなることで膀胱や直腸など他の臓器を圧迫し、頻尿や便秘を起こすこともあります。
・頚部筋腫
この筋腫以外のものは子宮自体にできるものですが、頚部筋腫は子宮の膣側にできる筋腫です。大きくなると過多月経になり、貧血状態が強く出るので、その段階で手術をすることが多いようです。
イメージ図
※画像はインターネット上からお借りしました。
子宮筋腫の治療法は薬物療法や手術(筋腫核摘出、子宮全摘出など)となっています。良性腫瘍なのでガンのように身体をむしばんでいくことはありませんが、妊娠・出産や、月経や貧血などの日常生活への影響がでることもあるので、産婦人科医と相談しながらライフスタイルに合わせたつきあい方をしていきましょう。